「鏡を見るたびに目の下がたるんできた気がする」「まぶたが重くなって、疲れて見られる」──そんな声を、サロンで毎日のようにお聞きします。目元のたるみは、ファンデーションでも隠しにくく、表情全体に影響するため、気になり始めると止まらない悩みのひとつです。この記事では、目元のたるみがなぜ起こるのか、日常のセルフケアで何ができるのか、そしてプロの施術でどこまで変わるのかを、私自身の施術経験を交えながら丁寧にお伝えします。
目元のたるみはなぜ起こるのか
目元がたるんでくる原因は、ひとつではありません。加齢・筋肉の衰え・むくみ・紫外線ダメージ・生活習慣と、さまざまな要因が重なって起こります。サロンで長年お客様の肌を拝見していると、「同じ年齢でも目元の状態がまったく違う」ということをつくづく感じます。原因を正しく知ることが、ケアの第一歩です。
コラーゲン・エラスチンの減少
肌の弾力を支えているのは、真皮層にあるコラーゲンとエラスチンという繊維状のたんぱく質です。20代後半から少しずつ減少が始まり、40代になると肌の「張り」を感じにくくなってきます。目元は特に皮膚が薄いため、この変化が外見にあらわれやすい部位です。施術中に触れると、弾力のある肌とそうでない肌の差は、指先にはっきり伝わります。ふわっとした弾み返しがある肌と、そのまま沈んでしまう感覚の肌では、見た目も大きく違います。
眼輪筋の衰えとたるみの関係
目の周りには「眼輪筋」という筋肉が輪のように走っています。この筋肉が衰えると、皮膚を内側から支える力が弱まり、重力に引っ張られてたるみが出やすくなります。特に、スマートフォンやパソコンを長時間使う生活が続くと、目を酷使するわりに眼輪筋そのものは動いていないことが多く、筋肉の衰えが加速しやすい状態になります。熊本は農業が盛んな地域でもありますが、農作業の合間にスマートフォンを操作する時間が増えたという方もいらっしゃり、現代特有の悩みだと感じます。
むくみが慢性化するとたるみになる
「たるみ」と「むくみ」は別物に思われがちですが、慢性的なむくみはたるみの原因になります。リンパの流れが滞ると、余分な水分や老廃物が目元に溜まり続け、皮膚が引き伸ばされた状態が常態化します。この状態が長く続くと、皮膚のハリが失われ、むくみが引いてもたるんだまま、という状態になってしまいます。朝起きたときだけ目元がはれぼったいという方は「むくみ」ですが、夕方になっても翌朝になっても変わらないという方は、慢性化している可能性があります。
目元の皮膚が特別な理由
目元のケアを語るとき、まず知っておいてほしいのが「目元の皮膚はほかの部位と構造が違う」という事実です。この違いを無視してケアをすると、かえって肌を傷めることがあります。
顔の中でもっとも薄い皮膚
目元の皮膚の厚さは、約0.5mm程度とされています。頬や額と比べると、半分以下の薄さです。皮膚が薄いということは、外からの刺激を受けやすく、乾燥もしやすく、ちょっとした圧力でもダメージになりやすいということです。施術中に触れるとき、目元だけは本当に繊細に、「皮膚の上をそっと滑らせる」感覚で手を動かします。強く押したり、摩擦をかけたりすることは厳禁です。
皮脂腺が少なく乾燥しやすい
皮膚の表面を潤わせるバリアを担う皮脂腺は、目元にはほとんどありません。そのため、何もしなければ乾燥が進みやすい部位です。乾燥した皮膚は弾力を失い、細かいシワが入りやすく、たるみも進みやすくなります。熊本の夏は気温・湿度ともに高いため、「夏は乾燥しないだろう」と思われがちですが、冷房の効いた室内では意外なほど目元が乾燥します。夏でもアイクリームを忘れずに、とお伝えするのはこのためです。
目の開閉による物理的ストレス
人は1日に約2万回まばたきをすると言われています。その度に眼輪筋が動き、目元の皮膚は繰り返し伸び縮みしています。これは避けられない動きですが、乾燥していたり、ケアが不十分だったりすると、この動きが積み重なってシワやたるみの原因になっていきます。だからこそ、目元のケアは「毎日続けること」が何より大切なのです。
毎日続けたいセルフケアの基本
プロの施術も大切ですが、たるみケアの土台は毎日のホームケアにあります。サロンでの施術は月に1〜2回ですが、ホームケアは毎日できます。20年以上施術を続けてきた中で感じるのは、「ホームケアをしっかりしているお客様ほど、施術の効果が長続きする」という事実です。
アイクリームの正しい使い方
アイクリームはスキンケアの最後、乳液やクリームの後に使います。量は米粒1〜2粒ほどの少量で十分です。指の腹(薬指が最もやさしい)で目の下の骨に沿うように、内から外へとポンポンとやさしく置くように塗布します。このとき、絶対に「こすらない」「押し込まない」こと。薄い皮膚に摩擦刺激を与えると、メラニンが生成されてシミ・くすみにつながるだけでなく、皮膚の弾力を損なう原因になります。
アイクリーム塗布のポイント
- 薬指の腹を使い、力を入れずに置くだけのタッチ
- 目の下だけでなく、まぶた側にも少量を広げる
- 朝晩2回のルーティンにする
- 冷蔵庫で冷やしたアイクリームを使うとむくみ対策にもなる
- UVカット機能のないアイクリームを使う場合、日中は日焼け止めも忘れずに
眼輪筋トレーニング
筋肉は使わなければ衰えます。眼輪筋も同じです。毎日のちょっとしたトレーニングで、目元を内側から引き上げる力をキープすることができます。難しいことは何もなく、日常の中にさりげなく取り入れられる方法があります。
まず目を大きく見開く
眉を動かさないようにしながら、目だけを大きく見開きます。おでこに力が入らないよう、手を当てて確認しながら行うとよいでしょう。3〜5秒キープ。
ぎゅっと目を閉じる
今度はしっかり目を閉じて、眼輪筋全体を収縮させます。3〜5秒キープ。開く→閉じるを1セットとして、1日10回程度を目安に行います。
くるくる眼球運動
目を開けたまま、上下左右・斜め方向にゆっくりと眼球を動かします。眼輪筋の周囲の筋肉もほぐれ、血行が促進されます。1日1〜2分で十分です。
温冷交互ケアでむくみを流す
朝、目元のむくみが気になるときは、温冷交互ケアが効果的です。温かいタオルを目元に当てて1〜2分おいた後、冷たいタオルまたは保冷剤(タオルでくるんだもの)を30秒ほど当てます。この温冷の刺激で血管が収縮・拡張を繰り返し、血行とリンパの流れが促されます。熊本の冬は意外と冷え込み、朝のむくみが気になる季節でもあります。朝の洗顔後に取り入れるだけで、目元の印象がぐっと変わります。
やってはいけないNGケア
「ちゃんとケアしているつもりなのに、なぜかたるみが進んでいる気がする」というお客様のお話を聞くと、ケア自体が肌にダメージを与えているケースが少なくありません。良かれと思ってやっていることが、逆効果になることがあります。
クレンジング・洗顔時の摩擦
目元たるみの原因でもっとも多く聞かれるのが、クレンジング・洗顔のときの摩擦です。特に、目元のアイメイク(マスカラ・アイライン)を落とすとき、ゴシゴシこすっている方が多い印象があります。このとき目元の薄い皮膚には、想像以上の摩擦と引っ張りが加わっています。アイメイクはポイントリムーバーをコットンに染み込ませ、30秒ほど当てて浮かせてから、力を抜いてやさしくふき取るのが正解です。「素早くこすって落とす」よりも「じっくり浮かせてふき取る」を習慣にしてください。
自己流のマッサージ
目元のリフトアップを目的に、強いマッサージをしている方もいらっしゃいます。皮膚を引き上げるように上に向かってこすったり、指で強く押し込んだりするのは、皮膚の線維構造にダメージを与える可能性があります。マッサージそのものは血行促進に効果的ですが、目元に限っては「触れる程度の圧力」が基本です。プロとして施術するときも、目元は手のひらの温度で包み込むようなイメージで触れています。強さよりも、温度と方向性を意識することが大切です。
紫外線対策の油断
「日焼け止めは塗っているけど、目元には塗っていない」という方もいらっしゃいます。紫外線はコラーゲン・エラスチンを分解する活性酸素を発生させ、肌の老化を加速させます。熊本の夏は日差しが強く、6月から9月にかけてはUV指数が高い日が続きます。目元が敏感でアイクリームと日焼け止めを一緒に使えない方は、UVカット機能付きのアイクリームを選ぶか、日焼け止め専用のスティックタイプを目元に使うことをおすすめしています。
サロン施術で変わること
セルフケアには限界があります。毎日コツコツ続けることで土台を整えることはできますが、すでに起きているたるみや筋肉の衰え、リンパの滞りをほぐすには、専門家の手によるアプローチが効果的です。「サロンに来てから目元の印象が変わったと家族に言われた」というお声をいただくことも多く、変化を実感していただける施術を心がけています。
リンパドレナージュで老廃物を流す
リンパドレナージュは、リンパの流れに沿ってやさしく圧をかけ、老廃物・余分な水分を排出に誘導する手技です。目元のむくみ・くすみ・たるみに対して、即効性を感じていただきやすいアプローチのひとつです。施術後に「目元がスッキリして視界が広がった感じ」とおっしゃるお客様が多く、実際に目が開きやすくなったと喜んでいただいています。顔全体のリンパの流れを整えることで、頬のたるみや顔のむくみにも同時にアプローチできます。
フェイシャルマッサージで筋肉にアプローチ
衰えた眼輪筋や周囲の表情筋に働きかけるフェイシャルマッサージは、筋肉の弾力を取り戻すきっかけを作ります。筋肉に対して、ほぐす・引き上げる・収縮を促すという3つの動きを組み合わせながら施術します。同じマッサージでも、お客様の筋肉の硬さや位置、骨格の違いによってアプローチを変えます。「こっています」と感じる場所があれば、そこを丁寧にほぐしてから引き上げる動きに移行します。このあたりの見極めは、経験の積み重ねが大きく関係してくる部分です。
美容機器と手技の組み合わせ
サロンでは、手技だけでなく美容機器を組み合わせた施術も行っています。超音波・高周波・LED光などの機器は、手の届かない真皮層にアプローチし、コラーゲン産生を促したり、深部の筋肉にアプローチしたりすることができます。機器の効果を最大限に引き出すためには、事前に手技で血行とリンパの流れを整えておくことが重要です。「機器だけ」「手技だけ」より、組み合わせることで相乗効果が生まれます。サロンでは毎回カウンセリングを行い、その日の肌状態に合わせて施術の組み合わせを決めています。
セルフケアの役割
- 毎日の土台づくり
- 保湿・紫外線対策
- むくみ予防の習慣化
- 眼輪筋トレーニング
サロン施術の役割
- 老廃物・むくみの排出
- 衰えた筋肉へのアプローチ
- 深部へのケア(機器使用)
- 状態に応じた個別対応
生活習慣から整えるアプローチ
どんなに良いケアをしても、生活習慣が乱れていると効果は半減します。目元のたるみは「肌だけの問題」ではなく、全身の状態が目元にあらわれているとも言えます。お客様とのカウンセリングの中で、生活習慣についてもよくお聞きするのはこのためです。
睡眠と姿勢の影響
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌の修復が行われます。睡眠不足が続くと、この修復の時間が十分に確保されず、肌のターンオーバーが乱れます。目元の皮膚は特に、睡眠不足の影響が出やすい部位のひとつです。また、うつぶせ寝や横向き寝は、寝ている間ずっと目元に圧力がかかる体勢になります。習慣的にうつぶせ寝をしている方は、仰向け寝を意識してみることをおすすめします。枕の高さも、顔にかかる血流や老廃物の溜まりやすさに影響します。
食生活と目元の関係
塩分の多い食事は体のむくみを引き起こし、目元のむくみにも直結します。熊本の食文化は味付けが濃いものが多く、地元のお客様の中にも「昨日の夜、からし蓮根を食べたら翌朝目がはれた」とおっしゃる方がいらっしゃいます。笑い話のようですが、食事の影響は確実にあります。コラーゲンの生成に必要なビタミンC(トマト・ピーマン・レモンなど)、抗酸化作用のあるビタミンE(ナッツ類・アボカドなど)、肌の水分保持を助けるビタミンA(にんじん・ほうれん草など)を意識的に摂ることが、内側からの目元ケアになります。
水分補給と目元のうるおい
体が脱水状態になると、皮膚にも水分が行き渡らなくなります。目元の皮膚は薄く乾燥しやすいため、体内の水分不足が直接的な乾燥とたるみにつながります。1日に1.5〜2リットルの水分を、こまめに補給することを心がけてください。熊本の夏は気温が高く、農作業や屋外での活動で大量に汗をかく方も多い地域です。スポーツドリンクや甘い飲み物ではなく、水やノンカフェインのお茶を意識的に飲む習慣が、肌のうるおいを支えます。
表情筋とスマホ姿勢のクセを見直す
目元のたるみには「表情のクセ」と「スマホ姿勢」も深く関係します。長時間うつむいた姿勢でスマートフォンを操作していると、顔の筋肉が下方向に引っ張られ、表情筋全体が緩みやすくなります。氷川町のお客様にも、お仕事でパソコン作業が長い方や、お子さまの送迎の合間にスマホで連絡業務をされる方が多くいらっしゃいます。1時間に1回は画面から目を離して遠くを見る、肩甲骨を寄せて姿勢をリセットする、口角を上げる軽い表情ストレッチをするなど、こまめなリセット習慣を取り入れてみてください。また、目を細める癖がある方は、メガネやコンタクトの度数が合っていないことが原因の場合もあります。視力に違和感がある方は、眼科で一度確認していただくと目元の力みが減り、シワやたるみの進行抑制につながります。施術後にお伝えするセルフケアの中でも、こうした生活動作の見直しは効果が長持ちする大きなポイントで、サロンでの施術と日常の小さな積み重ねが組み合わさってはじめて、目元のたるみは穏やかに改善していきます。
生活習慣チェックリスト
- 毎晩7時間前後の睡眠を確保できている
- うつぶせ寝・横向き寝を控え、仰向け寝を意識している
- 塩分の多い食事を控え、野菜・果物を積極的に取っている
- 水やお茶を1日1.5リットル以上飲んでいる
- 日中の紫外線対策を目元にもしている
- スマートフォンを長時間見続けるときは定期的に目を休めている
よくあるご質問
Q. 目元のたるみは何歳から気にしたほうがよいですか?
コラーゲンの減少は20代後半から始まります。「気になってから」では進んでしまっているケースが多いため、20代のうちから保湿・紫外線対策・摩擦レスのケアを習慣にしておくことが理想です。ただし、「もう遅い」ということはありません。40代・50代でも、適切なケアを継続することで目元の状態は改善できます。施術を始めてから「若い頃よりむしろ目元がスッキリした」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
Q. 眼輪筋トレーニングは毎日やらないと効果がありませんか?
毎日続けることで効果が出やすくなります。筋肉のトレーニングと同じで、週1〜2回よりも毎日少量ずつ行う方が定着しやすいです。1回のトレーニングは3〜5分程度でよいので、洗面台の前や就寝前のルーティンに組み込むのがおすすめです。ただし、やりすぎは筋肉疲労や周囲の皮膚への摩擦につながるため、1日10〜15回程度を目安にしてください。
Q. サロン施術は何回くらいで効果を感じられますか?
施術後すぐに「目元が軽くなった」「すっきりした」とおっしゃる方は多いですが、たるみへの本格的な変化は3〜5回程度の継続施術で実感されることが多いです。肌のサイクルには個人差があり、生活習慣・年齢・初期状態によっても変わります。まずは4〜6週間に1回のペースで施術を重ねながら、ホームケアと組み合わせて継続されることをおすすめしています。カウンセリングで状態を確認しながら、ペースを一緒に相談しています。
Q. アイクリームはどんなものを選べばよいですか?
目元向けと表示されているものを選ぶのが基本です。成分としては、保湿力の高いヒアルロン酸・セラミド・ペプチド類、エラスチンのケアをサポートするレチノール(敏感肌の方は刺激が出ることがあるため注意)などが配合されているものを選ぶとよいでしょう。価格の高さよりも「毎日継続できるかどうか」が大切です。サロンでは、お客様の肌状態に合わせてホームケアのご提案もしていますので、何を選べばよいかわからないときはお気軽にご相談ください。
Q. 目元のたるみにフェイシャルパックは効果がありますか?
シートマスクなどのフェイシャルパックは、保湿の底上げに役立ちます。ただし、目元専用でないものを目の際まで使用すると、成分が目に入るリスクがあります。目元専用のパッチタイプのアイマスクを使うのが安全です。パックは「即効性の保湿」に優れていますが、たるみそのものを根本から改善する効果は限定的です。あくまで日常のケアを補完するアイテムとして活用してください。
Q. メンズの目元ケアもお任せできますか?
はい、もちろんです。32℃サロンパストラルではメンズエステにも対応しています。男性の肌は皮脂分泌が多く、女性と比べてキメが粗い場合がありますが、目元の皮膚の薄さや筋肉の衰えは同じです。むしろ、スキンケアをほとんどしてこなかったというメンズのお客様ほど、施術後の変化を感じていただきやすい印象があります。「会社の同僚に疲れて見えると言われた」「妻に目元がたるんできたと言われた」というきっかけで来店される男性も増えています。
監修
32℃サロンパストラル 代表 南崎 明美
施術歴20年以上。熊本県氷川町でフェイシャル・ボディ・脱毛を提供。肌の状態を丁寧に見極め、個々に合った手技とホームケア指導を組み合わせた施術が特徴。

